こんにちは、石のシンシアです。

石のシンシアではCNC彫刻機という
コンピュータ制御の彫刻機を使用しております。
CNC彫刻機は万能で、
石以外も加工可能な優秀な工作機なのですが、
これまで、石以外を製品化したことはありませんでした。

脇役となる額や盾などは既製品を使用していたのですが、
やはり脇役であっても
「大理石彫刻と釣り合いのとれる素材を使いたい」
という想いがあり、
今回、世界三大銘木であるウォールナットの採用を決定、
さらにウォールナットにも彫刻を加えることにしました。


彫刻にはいろいろな方法があるのですが、
今回は、すくい彫りという方法を採用しました。
平面とのコントラストが美しく、
ウォールナットの美しい木目が楽しめます。

また、木目を活かすためにオイルフィニッシュという
大変手間の掛かる仕上げを採用しました。
丁寧にオイルフィニッシュすると
彫刻部分にオイルが入りやすくなり、
平面部分よりも色が濃くなって
コントラストが鮮やかになります。

オイルフィニッシュは、
昔から木材の仕上げとしては最高とされています。
また、定期的にメンテナンスすることで
さらに良い味がでる仕上げ方法です。
ですから、今回はメンテナンス性を高めるために
石と木の接合をネジ止めにし、分離可能にしました。
そのネジの化粧キャップを真鍮にしたかったので、
ネームプレート部分も真鍮にしました。

真鍮の文字彫刻にも深さと鋭さが欲しかったので、


上画像の工具を使ったすくい彫りにしました。
上画像のビットは最新のダイヤモンド・ビットです。
非常に切削能力が高く、金属もサクサク削れます。


上画像が完成した文字彫刻です。
ダイヤモンド・ビットならではの
カッチリした美しいすくい彫りができました。
薬品を使ったエッチング加工にも味がありますが、
この文字彫刻の鋭さは非常に魅力的です。
真鍮製品ファンにはたまらない文字だと思います。
また、文字の中をブラシで磨いてあるので、
独特の輝きがあります。
この輝きと経年変化は両立しないので、
一応、錆止めをすることにしました。
変色するのが楽しみだという方には、
あえて未処理というのもアリです。


という訳で、
ウォールナットとブラスという
異素材彫刻を手掛けた訳ですが、
木も金属も「石と比べると、素直で加工しやすいなぁ」
というのが正直な感想です。
特に、木の加工はCNCの練習に良いかもしれません。
ただ、素材それぞれに使う道具や工程の違いがありますから、
やはり、経験と知識は必要です。
共用できる道具もあるのですが、
設定が全然違うので、間違えると大変です。

何はともあれ多少の苦労はありますが、
違う素材の組み合わせというのは、
作り手として、とても楽しいものです。
「今度はどんなものを作ろうか?」
という気持ちにさせてくれます。

ショップでの販売を開始しました。
石と木と金属、それぞれに彫刻した豪華仕様です。
丁寧に作りこむため、制作にはかなり時間がかかります。
作り手の自己満足的な部分もありますが、
良い仕上がりになったと自負しております。
どうぞ、ご覧になってくださいませ。


石のシンシア

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