こんにちは
石のシンシアです。

上画像は試作で、
アイディアを試している途中の彫刻です。

ちなみに私(石のシンシア制作担当55才)の
石彫刻の歴史は小~中学生くらいからで、
中学の時に彫った鯉の彫刻(手彫り)を
父の工場
(石灯篭の工場だったので、石彫刻はその辺に転がっていました)
に放置しておいたところ、
通りすがりの人が買っていったそうです。
残念ながら実物も写真もありませんが、
「自分が作ったものを誰かが買ってくれた」
という初めての経験は、
なんとなく誇らしいような、照れくさいような
不思議な感覚だったことを覚えています。

その鯉は御影石製だったので
制作は硬くて大変でした。
その後も遊び半分で花の彫刻などをしていましたが、
旧工場の周辺事情、石材業界の変化もあり、
石彫刻は中断していました。
そして去年、工場を移転し
ふたたび彫刻を手掛けたという訳です。



さて、この彫刻に使われている石は
タソスホワイトというギリシャ産大理石です。
イタリア産のビアンコカララと比較すると真っ白です。
マーブル模様がないので、彫刻に干渉しません。
ただ、模様がないというのは
大理石らしさが少なくなってしまうとも言えます。
お好みで選択可能です。

左上にある穴は、裏からサンドブラストして開けた穴で、
光の透過具合を見る実験用の穴です。

レリーフ彫刻はコインの彫刻と同じで、
薄い厚みの中で立体を表現するので、
表現できる範囲に制限が多いです。

でも、
全身像や胸像と比べると格段に展示しやすいので、
石工としては作り甲斐があります。

ただ、意外と難しくて、
ほんのちょっとの削り具合で別人になってしまい、
「これは誰?」
ってこともしばしばです。

上の彫刻は
目をリアルっぽい形に彫刻してあるので、
見学した人から
「怖い」
と感想をいただきました。
私は割と気に入っているんですが・・・

怖くないように、
少しアニメっぽい目の彫刻もできますので、
お好み次第です。


大理石は半透明な部分が多いので、
家庭で展示できるサイズの彫刻だと、
細かい彫刻部分は強い光に吸収されて見えません。
そこで、上画像の彫刻には
テスト的にアンティーク仕上げを施してます。

古っぽく見えるように染色するのですが、
これも意外と難しくて、やりすぎれば安っぽいし、
薄すぎればやらないほうがいいし。
塗り絵みたいになると最悪ですので、
納得できる仕上げには時間がかかります。
彫刻は企画から制作から仕上げまで
本当に時間のかかることだらけで
商売になりません(笑


基本的にご希望がなければ染色はしませんが、
置く場所が明るすぎる場合などは
アンティーク仕上げしたほうがいい場合も多いです。

なんだかんだと書いてしまいましたが、
モノづくりは楽しいです。

石のシンシア



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