こんにちは、石のシンシアです。
日本国内でCNC彫刻機を使っている石材店はかなり少ないので、
時々、芸術家の先生から、石加工についてのお問い合わせを頂きます。
石加工の工程はたくさんあるので、すべて一人でこなす、ということは
ほぼありません。
ですから、石工と芸術家の間には、チョットした接点があります。
私は、一般のお客様の商品も、芸術家先生の作品のお手伝いも、
同じように全力で加工しています。
しかし、全く同じように加工している訳ではありません。
実は、同じ石加工でも、差があるのです。
基本的に、石工は「お客様の要望に応える」ための仕事をしています。
ですが、芸術家は自分の信念を大切にしています。
例えば、石工はお客様の満足のために、石肌についた加工跡を消します。
その方が綺麗だと思うからです。
しかし、芸術家の先生は「その加工跡を消すな!」と言います。
「その加工跡は必然で美しい」のだそうです。
こんな感じに、石工と芸術家では価値観が違うので、
意思疎通しないと、とんでもないことになってしまいます。
この価値観の違いについては、
私のスキーの師匠が有名芸術家なので、
いろいろと指導して頂きました。
私の生まれ育った故郷が石加工の町だったこともあり、
昔から石を題材にした芸術家さんとは交流があり、
石工と芸術家の違いについて、
勉強させてもらったという経緯があります。
まず前提として、
芸術家の作品を求めるお客様は、
芸術家の信念の宿った作品を望んでいます。
ですので、一般的な商品も、芸術家の作品も、
「お客様の要望を満たしている」という意味では同じなのですが、
加工については、違う価値観に基づいて行う必要があります。
石工としては「加工方法を変える必要がある」という訳です。
もちろん、どちらの加工も全力で行います。
石のシンシア
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