こんにちは、石のシンシアです。
石のシンシアでは、大理石彫刻を制作しております。
大理石は石ですので、基本的には木材や人工素材よりは経年劣化に強いのですが、
御影石と比較すると酸性雨や紫外線に弱いです。
特にトラバーチンは傷や穴が多く、
そこから劣化が進みやすいので屋外展示は避けたいのですが、
木材に近い温かみのある風合いがとても魅力的で人気が高く、
何とかして、屋外展示したい石種です。
ところで、
石のシンシアには以前より「ウレタン塗装できませんか?」という
お問い合わせが沢山ありました。
石材文字塗装といえばアクリル塗料が主体でしたので、アクリルには実績があるのですが、
もっと耐久性が欲しいということで、
ウレタンクリアについても5年前からテストしておりました。
そしてテストの結果、アクリルと比較すると、ウレタンは耐久性が高いうえに硬度も高く、
さらに石との相性も良かったので、屋外放置したサンプルもほぼ変化ナシでした。
なにしろ、自動車の塗膜と同じ素材ですから、その実績とテスト結果を踏まえた上で、
ウレタン塗装の導入を決定しました。
上画像は、レッドトラバーチンに、
クリアのウレタン塗装を施したものです。
もともとレッドトラバーチンには、木のような風合いがありますので、
木材塗装のような感じになりました。
光沢については、ウレタンの種類にもよると思いますが、
程良い光沢ですし、塗膜の厚みで調整可能です。
数種類のウレタンを使用したのですが、
「石材用」という記載があったので、
今回、ZESTのウレタンクリアー2液タイプを使用しました。
やはり2液タイプのほうが、1液タイプよりも塗膜が硬く、
鉛筆硬度2Hという記載がありました。
また、混合比を正確にして使用したので、
乾燥後は粘つくようなこともありませんでした。
今回の塗装面は複雑な形でしたので、エアブラシを使用しました。
ノズル口径0.3mmのエアブラシを使用したのですが、
ノズルの詰まりもなく、液ダレもなく安定して塗布できました。
ZESTのウレタンクリアーは使いやすく高品質で、
とてもオススメです。
噂によると、塗装屋さんは硬化の遅い冬場に
ラッカーシンナーを使ったりすると聞きましたが、
私はビビりなので、しっかり専用ウレタン薄め液を使用しております。
ただし、乾燥室温を高めに設定して硬化を安定させています。
なにしろ、加工に数十時間かけた大切な石彫刻ですので、
クリア塗装で失敗するわけにはいきません(笑)
さて、ウレタン塗装定番の悩みといえば、
なんといっても、洗浄液と薄め液による強烈なシンナー臭です。
換気とマスクは必須!
作業終了後、工具洗浄をすると工場中にシンナー臭が充満します。
まさに頭の痛い悩みです。
塗装行程がアクリルの数倍ありますし、
メチャクチャ面倒なウレタン塗装ですが、
仕上がりと耐久性を考えると・・・
やはり、ウレタンに軍配が上がります。
クリアーだけでなく、
文字塗装にもウレタンを使用予定ですので、
ブラックと
ゴールドを入手しました。
石材にアクリルゴールドを塗装すると、
すぐに色褪せてしまうのすが、
ウレタンであればかなり長持ちすると思います。
という訳で、
完成までの日数がかなり伸びてしまう仕上げ方法ですが、
ご希望があれば、無料で保護被膜塗装、ウレタンクリア塗装をいたします。
どうぞご利用くださいませ。
石のシンシア
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