こんにちは。石のシンシアです。
昨今、3Dプリンターが普及した影響からか?
沢山の名作彫刻がスキャンされ、3Dファイルとして公開されています。
そのなかには、クリエイティブコモンズ・ライセンス、
パブリックドメインとなっている昔の彫刻が含まれており、
さらに、リミックスOKという、
ありがたい3Dファイルがアップロードされています。
その中に、トーヴァルセン博物館がアップロードしている、
デンマークの彫刻家ベルテル・トルバルセン(1770~1844)の
ジャクリーン・シューバルトという作品の3Dファイルがあります。
ジャクリーン・シューバルトというのは人物名で、
トルバルセンの友人の妻だそうです。
つまりこの作品は、
作者の友人の奥さんの肖像彫刻ということになります。
その名作彫刻の3Dファイルを入手しました。
そのファイルがコチラ
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いや~、
首とかアゴとか立派ですね・・・
「威風堂堂」という言葉が頭ををよぎりました。
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最初、正面から見たときには
「男性の彫刻か?「」と思いました。
しかし、後ろから見ると確かに女性の髪形に見えます。
有名彫刻家の作品です。
きっとジャクリーンさんのルックスは
こんな感じだったのでしょう。
しかし・・・
それにしてもイカツさが気になる。
「さすがにゴツ過ぎじゃないかな~」
と思うのですが…
ともかく男性レスラー感が凄すぎます。
ジャクリーンさんは、
この肖像彫刻を作ってもらってどう思ったのでしょう?
もちろん、嬉しかっただろうと思うのですが、
良く見てみるとジャクリーンさんは
大変可愛らしい髪形をされています。
こんなに可愛らしい髪形にするところから察すると・・・
ジャクリーンさんご本人のお望みは
もうちょっと・・・
ほんのちょっとでいいから
可愛い肖像彫刻にして欲しかったんじゃないだろうか?
そう思ってしまったので、
作者や作品にちょっと失礼かな?
と思うところもありますが、
3Dファイルはバーチャル空間です。
実物を改変してしまうわけではありません。
ですので
パロディーやジョークということにして頂いき、
勝手にリメイクしてみました。
その画像がコチラ・・・
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どうでしょうか?
瞳をハート形にしてイタズラ感を出してみました。
そして、
実は一か所・・・いや、二か所ほど
とある部分を大きくし過ぎたのですが、
脱線し過ぎたので直しました(笑
私は鼻の孔が見える
下からあおったアングルが好きです。
そのアングルで、ビフォーアフター画像を並べてみると・・・
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原作は堂々とした大理石彫刻ですが、
私が勝手にリメイクしたほうは、
残念ながらフィギュアっぽさが否めません。
しかし・・・
ジャクリーンさんがごらんになったなら、
「あら、私は右側の胸像にソックリ!」
と言うような気が・・・(笑
これ、元のファイルを
少しずつ足したり、削ったりして作り変えました。
ちなみに、なにも参考にせずに
イメージだけで作り変えたので、
何かに似ていたらそれは気のせいです(笑
具体的な変更箇所は・・・
大体のところは手を入れました。首も細くしましたし。
目の位置を変えるのには手間取りました。
最初から全部作り変えたほうが早く出来上がりそうです。
でも、技術鍛錬と思って少しづつ修正してみました。
ちょっとアゴが立派過ぎるので細くしたり、
鼻もキュートにして、
眉も可愛らしく、眉間もゴツさをなくして、
唇はポッテリにして、
目はたれ目で、瞳はハートマークに。
頭を大きくして相対的に顔を小さくしました。
ただ、可愛らしくしようとして改変していくうちに、
可愛らしさの要素を誇張しすぎてしまい、
3Dプリンターで作った
フィギュアのような感じになってしまいました。
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彫刻のファイルに手を入れていくとわかるのですが、
ちょっとした変化、
ミリ単位で大きく表情が変わってしまいます。
ワンクリックで別人です。
しかも、上手くいったと思っても、
顔のアングルを変えると物凄くヘンテコリンに
なっていたりします。
そこが3Dの難しさです。
漫画とかアニメならなんとかなるところですが、
立体は矛盾を許してくれません。
ですので、なかなか上手くいかない
下からのアングルを重視しています。
遊びとは言え、
こういうデザインの改変作業というのは
沢山の経験を短い時間で積むことができるので、
効率的な勉強ができます。
何しろ、本物の石に彫刻するとなると、
時間もお金もたくさんかかってしまいます。
ファイルの編集で完成形を確認できるというのは、
とてもありがたいことです。
こうして、手軽に名作と戯れながら
彫刻の経験ができるなんて、
本当に便利な世の中になりました。
石のシンシア
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