天然石表札の選び方
こんにちは、石のシンシアです。
石工をしていると
割と頻繁に表札の制作依頼があります。
石表札の場合、
素材の選択肢は、大理石と御影石になります。
大理石と御影石の素材特性
上画像は30年前に私が作ったもので、
原石の形を残した一風変わった表札です。
素材は、今ではほとんど産出されない
真壁糠目という希少な御影石です。
見た目はグレーですが、
白御影に分類されます。
御影石は硬くて丈夫、経年劣化が少なく
30年という年月を感じません。
上画像は黒大理石ネロクラウン製の表札です。
書体は「鬼滅の刃」で人気の書家の文字を使ってみました。
カッコいい文字なので、彫刻も凝ったディテールをつけてみました。
細長い関東型の表札をタテ型にすると、
和風のとても良い雰囲気がでます。
黒大理石は御影石よりも目が細かく、シットリとした質感が特徴です。
ただ、大理石は直射日光と酸性雨に弱く、
経年劣化によって磨き部分の輝きが曇ってきます。
日光と雨を避けられない場所に設置するなら
下画像の御影石をオススメします。
経年劣化に強く、
文字部分の艶も格段に長持ちします。
黒御影石は経年劣化が少なく、
ほぼメンテナンスフリーなのですが、
手に取って大理石と御影石を比較してしまうと、
多くの方が大理石を選びます。
また、
風水的にも「大理石が良い」とされているようですね。
という訳で、素材選びのポイントとしては、
①見た目の美しさとイメージの良さ、
人気の面では大理石。
②耐久性では御影石。
というところです。
雨と直射日光を避けることができれば
黒大理石の磨き部分の艶は長持ちしますので、
設置場所を選べるなら
黒大理石は魅力的な選択です。
大理石は経年変化するとはいえ、
それは御影石と比較した場合ですから、
木製などの素材と比較すると
とても長持ちする素材です。
なにしろ、燃えたり腐ったりはしません。
石製品といえば、
太古の昔から永遠の象徴であり、
一家の繁栄や長寿を表現できますので、
表札には「持って来い」の素材といえるでしょう。
文字彫刻の種類
石に文字といえば彫刻です。
彫刻文字は、彫り込む場合と浮かせる場合の二種類があります。
上画像は、文字を浮かせるように彫刻した「浮かし彫り」です。
石種はイタリア産白大理石ビアンコカララで、
花のフレームに孔雀のワンポイントを彫刻してみました。
この文字も浮かし彫りで、
やはりビアンコカララ製です。
実は、左の文字は丸みがあり、
右の文字は角が立っていて上部が平らになっています。
並べてみると雰囲気の違いが良くわかります。
上画像もビアンコカララ製の表札ですが、
文字は普通彫りです。
文字部分を沈めるように彫刻します。
普通彫りと浮かし彫りの表札を並べてみました。
どちらの方法が良い、悪い、ということはありませんので、
好みで選んで問題ありません。
石表札といっても、
石種選び、文字選びと、
いくつかの選択要素がありますから、
お選びになるときの参考にしてください。
石のシンシア
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